歯周病

 三軒茶屋歯科では、歯周病の可能性のある方には、まずは歯周病検査と歯の汚れの中にいる菌の検査をお勧めしています。勝手に検査を行うことはなく、同意を得てから行います。もちろんご希望の方は、遠慮なくおっしゃってください。

このような症状はありませんか?

 以下の項目が1つでも当てはまる方は、歯周病の可能性があります。

  • 歯ブラシを当てると出血することがある
  • 歯茎がむず痒いことがある
  • 口臭が気になる
  • 歯を磨く時間が5分以内
  • 噛みづらくなってきた
  • 歯茎が痩せてきた
  • 歯が揺れている

歯周病とは

 歯周病は成人の80%以上がかかっていると言われている、歯が抜け落ちてしまう病気です。
 初期や中期の症状ではほとんどの人が気付きません。自覚症状がないまま進行してしまうことが多く、症状が出た時には、歯周病がかなり進行してしまっていることも多々あります。

歯茎が健康な状態
歯茎が健康な状態の画像
歯周病が進行した状態
歯周病が進行した状態の画像

 歯はアゴの骨に支えられています。強い骨が歯の根の周りを覆っていることで、私たちは硬いものを美味しく食べることができるのです。
 ところが、磨き残しがある部位には菌が住み着くようになります。菌はまず、ハグキを弱らせます。歯ブラシを当てると歯グキから出血したり、むず痒く感じたりする方は要注意です。

 歯周病菌は酸素のないところを好む嫌気性菌という種類の菌です。酸素に触れないところ、つまり歯の表面ではなく歯茎の中の方で生活することを好みます。歯周病菌は歯の周りの骨を溶かしながら、歯茎の中を根の先に向かって進んでいきます。歯周病が進行すると歯は揺れ始め、最後には抜けてしまいます。

歯周病の検査

歯周病の検査の画像

まずは歯周病の進行具合を検査します。
・CT/レントゲン検査
・歯周ポケット検査
・口腔内写真撮影
・位相差顕微鏡検査
・かみ合わせ検査

CT/レントゲン検査

 お口の中を診るだけでは、正確な骨の状態は分かりません。CTやレントゲンを撮ることで、歯周病によって骨がどういう状態になっているのかを把握します。また、定期的に撮影することにより、治癒具合や進行の速度を診ることもできます。
 当院では、被曝量の少ないデジタルレントゲン装置を使用しています。アナログと比べて被曝量は約2分の1。東京都ニューヨークを飛行機で移動した時の被曝量の約10分の1です。

歯周ポケット検査

 歯茎の腫れ・歯茎の内側に骨がどのくらい残っているかを検査します。プローブをいう専用の器具を使って、歯と歯茎の間の隙間をさわっていきます。その力は約25g。痛くないように配慮して行います。
 健康な歯茎の場合、歯茎は引き締まっているので出血しませんが、歯周病のせいで歯茎が腫れている場合は簡単に出血してしまう状態です。最近では、歯茎の出血しているところから菌が血管内に入り込無事で認知症を誘発する可能性があることが、九州大学の研究で明らかになりました。

口腔内写真撮影

 お口の中の状態を記録に残し、経過を見ていきます。
 歯科の治療はどんなことをしているのか分からなくて不安だという声に配慮して、毎回の治療の前後にも写真を撮影し、before/afterを見ていただきます。

位相差顕微鏡検査

 歯周病菌の状態は、位相差電子顕微鏡で調べることができます。歯や舌についている汚れや唾液を、400倍に拡大して菌の種類、量、動きを見ていきます。
 歯周病は歯周病菌が骨を溶かす病気です。菌が完全にゼロになることはありませんが、歯周病治療によって、量を減らしたり、活動を弱めたりすることは可能です。菌の活動状態を見て、定期検診の間隔を決めることもあります。

かみ合わせ検査

 かみ合わせが悪い歯は歯周病が進行しやすいことが分かっています。歯ぎしりで日常的に歯を揺らしていたり、他より強く負荷がかかっている歯があると、歯周病を悪化させる可能性があります。かみ合わせの検査は当院の得意分野です。顎関節のずれやかみ合わせのズレを総合的に診ていきます。

かみ合わせ治療

歯周病の治療法

 歯周病は歯周病菌の感染によって起きる感染症です。歯周病の治療は菌を減らすことです。

 歯周病が進行した歯茎の中の菌や歯石は、通常の歯磨きでは取ることはできません。歯科医院で専用の器具を使って清掃していきます。

歯周病の治療例の画像

歯石取り1回目

 1回目の歯石取りは、歯茎よりの上の部分についている汚れを取っていきます。歯周ポケット検査の数値が2mm以内の部位は、ほとんどの場合一回の歯石取りでキレイになります。

歯石取り2〜6回目

 歯茎の中に入り込んでしまっている汚れや歯周病菌を取り除いていきます。深いところの歯石は硬く、量によっては一回では汚れは取りきれないことも多々あります。その時は”今日は右上だけ。”次回は”左上だけ”と、分けて汚れを取っていきます。
 見えない部位の治療に何度も通院するのは、とても退屈に感じてしまう方もいらっしゃいます。矯正治療や虫歯の治療のように直接見ることのできる部位の治療ではありません。そのため、途中で通院をやめてしまう方も時々いらっしゃいます。ですが、症状がないからといって、自己判断で通院を止めてしまうと、将来残せる歯の本数が減ってしまう可能性もあります。汚れを全て取り除くまでは、頑張って通院していただけるようお願いします。

定期検診+歯のお掃除

 汚れを全て取り切って、歯茎の状態が良くなってくると、定期検診と歯のお掃除に通院していただきます。せっかく汚れを取り切っても、清掃の難しい部位には再び歯周病菌や歯石がついて歯周病が進行してしまうことも珍しくないからです。汚れは徐々に硬くなり、歯にこびりついて取れにくくなります。汚れがついて間もない時は、比較的簡単に綺麗にすることができます。そのため、歯周病の進行具合や汚れの付きやすさ、歯周病菌の活発さなどを考慮して、一人一人定期検診の間隔を決めていきます。

残っている歯の本数

 上のグラフは、歯の痛みや腫れなどの症状がある時だけ通院した人と、症状がなくても定期検診に通った人では、生涯残せる歯の本数にどれだけ差が出るかを表したものです。その差は80代では10本もの差になることがわかります。歯周病は油断をすると再発する病気です。症状がなくても、定期検診に通っていただくことで、いつまでもおいしい食事を取ることのできる可能性が高くなります。

L1

 歯周病菌の状態は、位相差電子顕微鏡で調べることができます。歯や舌についている汚れや唾液を、400倍に拡大して菌の種類、量、動きを見ていきます。
 歯周病は歯周病菌が骨を溶かす病気です。菌が完全にゼロになることはありませんが、歯周病治療によって、量を減らしたり、活動を弱めたりすることは可能です。菌の活動状態を見て、定期検診の間隔を決めることもあります。当院の患者様には、無料で位相差電子顕微鏡を用いた歯周病菌検査を提供しております。ご希望の方はいつでも申し付けください。